こんにちは。歯並び育児協会®︎ 認定講師の長野まなみです。
「お口がぽかんとしている」「前歯が少し気になる」。そんな小さな気づき、ありませんか?
実は、歯並びは遺伝だけでなく、日々の筋肉の使い方が深く関わっています。食べる・しゃべる・笑う——お口の筋肉の働きが、少しずつ歯の位置を動かしているのです。
このコラム【前編】では、歯並びを育てるお口の筋肉の基礎をわかりやすく解説します。そして【後編】では、おうちで親子でできるケア方法をご紹介します。
歯並びにも関係する口腔周囲筋(こうくうしゅういきん)とは?
文字どおり、口のまわりにある筋肉の総称です。表情を作る、唇を閉じる、呼吸や「噛む」こと、そして歯並びにも関わる重要な筋肉たちです。
代表的な筋肉には、次のようなものがあります。
口輪筋(こうりんきん):
唇を閉じる動作を担当。食べ物を唇で取り込んだり、唇をすぼめる動きにかかわります。頬筋(きょうきん):
まるで「食べ物の案内人」のように、口の内側で食べ物をまとめ、奥歯までしっかり届くようサポートしています上唇挙筋(じょうしんきょきん):
上唇を引き上げる表情筋。お子さんがにっこり笑うとき、上唇をキュッと持ち上げる働きをしています。オトガイ筋(おとがいきん):
あご先にしわを作る筋肉。いわゆる“梅干しジワ”の原因にも。
歯並びだけでなく、お顔のたるみやほうれい線などのお悩みにも関係してくることがあります。
子どもの歯並びから、高齢の方の飲み込みづらさ、むせ込みまで、年齢を問わず大切な筋肉と言えます。
食べ物を噛む!咀嚼筋(そしゃくきん)とは?
食べ物をかむときに使う、4つの主な筋肉のこと。これらが連動して、「食べる」という動作が自然に行われます。
側頭筋(そくとうきん):
あごを閉じる・後ろへ引く。こめかみに手を当てて奥歯をグッと噛みしめると動きが分かります。咬筋(こうきん):
奥歯でかみしめたとき硬くなる、力強い筋肉。主に下顎を上顎に引き上げてあごを閉じる。内側翼突筋(ないそくよくとつきん):
あごを引き寄せ、下あごを安定させる役割を担います。噛む時に内側から支える縁の下の力持ちです。外側翼突筋(がいそくよくとつきん):
あごを前に出す・左右に動かす動きなどを担当。食べ物をすりつぶしたり、あごをスムーズに動かすために欠かせない筋肉です。
歯並びと口腔周囲筋の関係は?——外から内からの力のバランス
歯並びを考えるうえで、「バクシネーターメカニズム」という考え方があります。
かんたんに言うと——
歯は“外から押す力”と“内から押し返す力”のバランスで、まっすぐに並びやすいということ。
外からの力……頬筋(ほっぺの筋肉)や口輪筋(くちびるを閉じる筋肉)が歯を押す力
内からの力……舌が内側から歯を支える力
このバランスがちょうど良いと、歯は無理なく並びやすくなります。
もし——
くちびるやほっぺの力が強すぎる → 歯が内側に押され、きゅうくつになりやすい。
舌の力が弱い・位置が低い → 歯が前に出てきたり、すき間ができやすい。
だからこそ、口のまわりの筋肉をよく動かし、やわらかく、バランスよく使えるようにすることが大切です。
まとめ
歯並びは、口のまわりの筋肉とも深く関係しています。
口腔周囲筋は、唇を閉じる・表情をつくるなどに関わる口のまわりの筋肉の総称。
咀嚼筋は、食べ物をかむときに使う4つの筋肉のグループ。
筋肉の使い方のバランスが崩れると、口呼吸やかみ方のくせにつながり、歯並びに影響が出ることも。
日常の使い方のくせが筋肉に影響し、筋肉が歯の位置を少しずつ変える——これが「歯並びは筋肉でも育つ」と言われる理由のひとつです。
次回、後編では、おうちで今すぐできる、親子で楽しめるやさしいお口のマッサージをご紹介します。
特別な道具はいりません!いつもの親子のふれあいの時間に、少しだけプラスしてみませんか?

歯並び育児® 認定講師
長野まなみ
歯科衛生士
2児を子育て中の歯科衛生士です。
心と身体の土台を整え、”今”を一生ものの親子の絆に。 そんな歯並び育児を広めたくて、現場を離れ認定講師になりました。 日本の子どもの未来を明るく照らしたいです!!