赤ちゃんの発達と歯並びの深いつながり|第1回|赤ちゃんの発達とその順番がカギ

こんにちは。歯並び育児協会 認定講師の増田さよりです。

今回から3回にわたり、赤ちゃんの発達と歯並びの深いつながりについてお伝えしていきます。

さて、みなさんは歯並びは姿勢や身体の使い方と深く関係があるのを知っていますか?
「歯並びが悪くなるのって、歯の生え方や遺伝のせいじゃないの?」
そう思われる方も多いかもしれません。

もちろん骨格の特徴や家族の影響もありますが、実は “姿勢” や “体の使い方” が、歯並びに大きく影響しているのです。

とくに生後1歳半ごろまでの乳幼児期に、体の発達を飛ばすことなく順番通りに経験することが、将来のあごの成長や歯の並びにとって、とても大切な土台になります。

「ズリバイ」「ハイハイ」はどれくらい経験しましたか?

最近は、「うちの子は8ヶ月で立った!」「あまりハイハイしなかった」といった声をよく聞き、ズリバイを飛ばしたり、ハイハイがあまりできていないまま歩き始める赤ちゃんが増えています。
でも実は、

ズリバイ → ハイハイ →(おすわり)→ 立つ → 歩く…

この発達の順番には、大切な意味があるのです。

それぞれの動きの中で、赤ちゃんは少しずつ重力に逆らって体を支える力を育てていきます。この過程を飛ばしてしまうと、体幹や背骨の安定性が十分に育たず姿勢の崩れが悪い歯並びにつながることもあるのです。

とくに、ズリバイを飛ばす、ハイハイの期間が短かったり、あまりハイハイをしなかった赤ちゃんには、

    • 口がぽかんと開いている

    • 舌の位置が安定しない

    • よだれが多い

といったサインが見られることがあります。これは、口まわりの筋肉や舌のコントロールが十分に育っていない状態なのかもしれません。

歯並び × 姿勢: どう関係しているの?

赤ちゃんのあごや歯は全身の使い方と密接につながっています。
たとえば、

    • ずっと仰向けで過ごしていると、あごが後ろに引っ込みやすくなる
    • 姿勢が不安定なままおすわりさせると、首や舌に余計な力が入りやすい
    • ハイハイが少ないと、背中やお腹、口まわりの筋肉が十分に使われない

こうしたことが重なることで、口呼吸になりやすくなったり、舌の位置が下がったままになったりします。その結果、あごの成長が十分に促されず、あごが狭くなることで歯が並ぶスペースが足りなくなり、歯並びが悪くなるリスクが高まります。

発達段階を「順番に、自分の力」で経験することが歯並び予防になる

逆に言えば、ズリバイやハイハイをしっかり経験することで、

    • あごの発育が促される

    • 舌の位置が安定しやすくなる

    • 姿勢が整いやすくなる

など、自然に「歯並びを育てる力」が備わっていきます。

無理に運動させる必要はありません。
でも、赤ちゃんが思いっきりスリバイやハイハイをしたくなるような環境づくりや声かけ、遊びを取り入れることで、自然な発達の流れをサポートすることができるのです。

おわりに:歯が生える前から始まっている、歯並びの準備

赤ちゃんの歯が生えるよりもずっと前から、歯並びを左右する “準備” は始まっています。

それは、ズリバイやハイハイといった全身の動きであり、正しい姿勢であり、体の感覚を育てること。

「うちの子、ズリバイちゃんとしてたかな?」
「どのくらいハイハイしたんだろう?」

そんなふうに振り返ってみるだけでも、今日から歯並びへの気づきが始まります。

次回は、赤ちゃんの体幹はいつ育つのか? 体幹が姿勢とどう関わっているのか?
さらに深く掘り下げていきます。

一般社団法人 歯並び育児協会 認定講師

増田さより

口育士 / 足育アドバイザー®

6歳の娘を子育て中です。
赤ちゃんの頃の動きが身体の土台を作り、その土台作りが歯並びにも影響があると知りました。歯並びはお口だけの問題ではない!と感じています。
子どもの成長を健やかに!と思っているママ達のサポートをしています。

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