こんにちは。歯並び育児®協会 認定講師の増田さよりです。
寝返りは、赤ちゃんが「自分で動いてみたい」という気持ちを広げていく発達の大切なステップ。
けれど進み方には個人差があり、
「まだ寝返りしないけれど大丈夫?」
「回ってみたけれど、なんだかぎこちない気がする…」
そんな不安を抱くママも多いと思います。
このコラムでは、赤ちゃんの体の土台づくりをやさしく整えるために寝返りに必要な体の準備や、家庭でできるサポートについて、前編・後編の2回に分けてお届けします。
赤ちゃんは順番に発達していくようにできている
赤ちゃんの発達は、
仰向け → 首すわり → 寝返り → ずりばい → ハイハイ → 立つ・歩く
と段階的に積み重なっていきます。
それぞれの動きが“次の発達への準備”になっていて、順番にはきちんと意味があります。
なかでも寝返りは、次の動きへ進むための大きなターニングポイント。
寝返りの動きには、
- 体重を左右へ移す感覚
- 肘や肩で体を支えるための準備
- 肩甲骨が安定して動くための土台
- 股関節を外にひらく動き
- 手足の連動
こうした体を思い通りに使うための基礎がたっぷり含まれています。
寝返りを通して、赤ちゃんは「動けた!」と自分で動く楽しさや、小さな成功体験を積み重ねることで、思い通りに体を使う力を獲得していきます。
背中の「Cカーブ」は動きやすさのカギ
赤ちゃんの背中は、胎内の姿勢を思わせる「Cカーブ」と呼ばれる丸みを帯びています。
生まれてからもしばらくはこの丸みのまま過ごし、Cカーブは「思い通りに動かす体づくり」には欠かせない大切な形です。
ただし、日常の生活で、
- 固いマットレスに長時間寝ている
- 縦抱っこの時間が長く、重力を強く受けてしまう
- 抱っこの際にお尻や背中を十分に支えていない
こうした状態が続くと、背中が反りやすくなり、筋肉のバランスが崩れ、大切なCカーブが保ちにくくなります。
寝返りがぎこちないなと思ったことはありませんか?
動きにくさの背景には体の「こわばり」が隠れているかも
寝返りが遅い、寝返りがぎこちない、うまく踏ん張れない、そんなときに見逃せないのが体の「こわばり」です。
こわばりとは、赤ちゃんの体が緊張していて、力がうまく抜けない状態のこと。
気持ちは「動きたい」のに、体がまだその準備ができていない、筋肉がうまく使えない——そんな様子が見られることもあります。
原因はさまざまです。
- 出産時の姿勢や回旋の負荷
- 胎内環境
- 硬い寝具や向き癖、抱っこの環境
どれも“特別なこと”ではなく、どの子にも起こりうるものです。
ママやパパのせいではありません。
大切なのは、赤ちゃんが「やりたくない」のではなく、「できない理由があるのかも?」という視点で気づいてあげること。
ここからママやパパのサポートが始まります。
赤ちゃんの「今」に合わせたケア
家庭でできるサポートとしては次のようなものがあります。
Cカーブを守る姿勢づくり
赤ちゃんが安心して丸くいられる環境を整える。おひなまきやCカーブを支えるベッドなど活用し、お尻をしっかりとささえてあげることがポイント。
こわばりをゆるめるボディケア
足裏を触る、背中をなでる、ふんわり抱っこするなど、やさしい刺激は赤ちゃんの緊張をほどく助けになります。
がんばらなくても日常の中で、そっとできるサポートです。
寝返りを引き出すための3つの要素
後編では、寝返りへ向かうために大切な
- ボディマップ
- こわばりケア
- 腹筋の育ち
この3つを、家庭で実践しやすい形でお伝えします。
赤ちゃんの「やってみたい!」をそっと後押しするヒントです。ぜひ後編もご覧ください
一般社団法人歯並び育児®協会 認定講師
増田さより
口育士 / 足育アドバイザー®
6歳の娘を子育て中です。
赤ちゃんの頃の動きが身体の土台を作り、その土台作りが歯並びにも影響があると知りました。歯並びはお口だけの問題ではない!と感じています。
子どもの成長を健やかに!と思っているママ達のサポートをしています。