こんにちは。歯並び育児協会 認定講師の丸渕早織です。
突然ですが、お子さんの歯の生え方、気になったことはありませんか?
「なかなか永久歯が生えてこないな…」
「なんだか歯の形が違う?」
「歯が1本足りないかも?」
そんな“歯のちょっと気になる…” 実はよくあることなんです。今回は、そんな “あれ?”から始まる、生まれつきの歯のトラブルについてご紹介します。
なかなか永久歯が生えてこない…
「乳歯が抜けたのに、なかなか永久歯が生えてこない」
そんなときに考えられるのが、
先天性欠如(せんてんせいけつじょ)や、埋伏歯(まいふくし)・過剰歯(かじょうし)といった、生まれつきの歯のトラブルです。
先天性欠如(せんてんせいけつじょ)
先天性欠如とは、歯の芽(歯胚:しはい)がもともと存在しない状態。
永久歯では約10人に1人という割合で見られ、特に下の前歯や奥歯に多いとされています。
乳歯の先天性欠如は約100人に2人ほどとされています。
歯の芽ができない理由としては、遺伝や妊娠中の影響などが考えられていますが、はっきりした原因がわからないことも多く、「たまたまそうだった」というケースも珍しくありません。
■ 先天性欠如への対応例
乳歯が抜けても永久歯がなかなか生えてこない場合は、一度歯科医院でレントゲンを撮って確認するのがおすすめです。
永久歯が存在しないと診断された場合でも、すぐに治療が必要とは限りません。年齢や周囲の歯とのバランスを見ながら、矯正や補綴(インプラント、ブリッジ、詰め物等)など将来的な治療を検討することが多くあります。
埋伏歯(まいふくし)・過剰歯(かじょうし)
- 埋伏歯: 永久歯が歯ぐきの中に埋まったまま、出てこない状態
- 過剰歯: 生まれつき余分な歯があり、正しい位置の永久歯が生えてくるのを妨げている状態
どちらも見た目には気づきにくく、
永久歯の生え変わりの時期にレントゲンを撮ることで判明することがよくあります。
■ 埋伏歯・過剰歯への対応例
必要に応じて外科的に取り除いたり、矯正治療で引っ張り出したりします。
ただし、すぐに治療が必要とは限らず、年齢や歯の位置によっては経過を見ながら判断するケースもあります。
歯がやけに大きい?よく見ると2本が1本に?
「乳歯がやけに大きい」
「2本くっついてるように見える」
それは、癒合歯(ゆごうし)かもしれません。
癒合歯とは、乳歯が2本くっついて1本のような形になっている、生まれつきの歯の状態。下の前歯に多く見られます。
■ 癒合歯で気を付けたいこと
- くっついた部分は汚れが溜まりやすく、虫歯リスクが高い。
- 乳歯が癒合歯の場合、その下に控えている永久歯がない(先天性欠如)の可能性も。 50%の確率で、歯の芽(歯胚)がないという報告もあります。
このように、癒合歯の場合、永久歯が生えてこない可能性もあるため、先天性欠如と同様に歯科医院で早めに診てもらうことをおすすめします。
【実際のケース紹介】5歳で発見された過剰歯
私の息子のケースをご紹介します。
5歳のとき、「むし歯はないかな?永久歯はちゃんとあるかな?」と気になって、 パノラマレントゲン(お口全体が写るレントゲン)を撮ってもらいました。
すると、上の前歯のあたりに過剰歯が2本見つかり、しかもそれらは逆さまに鼻の方向へ向かって埋まっている状態でした。
矯正の先生と相談のうえ、7歳で口腔外科にて抜歯することに。手術後は3日ほど痛みがあったものの、その後は順調に矯正も進んでいます。早めに見つけておいたことで、タイミングを選んで治療できたのは本当によかったと感じています。
「あれ?」と感じたら、まずは気軽に相談を
生まれつきの歯のトラブルは、特別なことではありません。
歯の成長には個人差がありますが、気になることがあれば、専門の歯科医師に相談することが一番大切です。
将来的な大きなトラブルを防ぐことができるかもしれません。
おわりに:心配しすぎず、でも見逃さず
小さな「気になる」が、お子さんの未来を守ります。
大切なのは、「ちょっと気になるな」と思ったときに見てあげること、相談してみることです。
私たちは、「歯並び育児」を通じてお子さんの歯や口の発達についての正しい知識を広め、ママ・パパが不安なく育児に取り組めるよう、日々のちょっとした「気になる」を見逃さず、一緒に考え、サポートしていくのが役目だと考えています。
私たちと一緒に「歯並び育児」を始めてみませんか?

歯並び育児® 認定講師
丸渕早織
歯科衛生士
3人男の子を子育て中の歯科衛生士です。
子ども達3人それぞれのお口の悩み、体の悩みがあり、悩みを解決できたのは歯並び育児でした。
我が子を「しっかり育てなきゃ」と頑張っているママの心と身体を軽くするサポートをしています。